大学のキャリアセンターで働いていると、何を自分の仕事としたらよいか分からずに悩んでいる学生に少なからず出会います。
「偏差値の高い中学校 → 偏差値の高い高校 → 偏差値の高い大学」で進路選択をしてきた学生に多いように思います。(「偏差値の高い」部分を「入れる」とか「自宅に近い」に置き換えていただいても構いません。)
保護者の方は「いい大学に行けば、それだけ選択肢が増え、安定した大企業に就職できる」とお考えをお持ちの方が多いように推察しております。
就活を運よく突破して、一流企業に就職できたとしましょう。ではその先、どのようなことが起こるのか?
1年以内の早期に離職してしまう方の割合は約10.6%です(厚生労働省「新規学卒者の離職状況(令和2年3月卒業者)」)
また、就業者の6人に1人が転職を希望しているとのことです。(「日本経済新聞」転職希望1000万人越え 2024年2月27日)
また、このような例を伺いました。
公務員試験を受けたが、不採用。結果が出たのが11月。めぼしい企業は当然のことですが、採用を終えています。そんな中、市役所を受験した理由が「人の為になる仕事がしたい」という自己分析を思い出されて、介護職の求人を見せてほしいと進路指導の先生に願い出たそうです。すると、「介護職などいつでもなれる」という理由から求人票を見せてもらうことができなかった。紹介されたのは自動車の販売・修理の会社の事務だったそうです。でも、結果、3か月で離職されました。この進路指導は適切だったのでしょうか。
私が申し上げたいのは、従来の進路指導のやり方を変える必要があるということです。
変える方向が「キャリア教育」だと思っています。
学習指導要領ではすべての教員に「キャリア・カウンセリング」ができるようになることを要求していますが、「キャリア教育」は1つの教科に匹敵する専門性があり、勉強したことのない先生にそれを求めるのは難しいと思います。(現状、やることのできる先生はとても少ないと思います。)
それに、現場は人手不足でそんなことやっているリソースはない。いじめ、不登校、高大連携への対応で手一杯だと思います。
そこでのご提案なのですが、「キャリア教育」の専門家である「キャリアコンサルタント」に仕事をアウトソーシングするのはいかがでしょう。
「予算がない」、ごもっともです。
では、次年度に。ご検討いただけることを願っています。
キャリアコンサルタントはキャリアの専門家として学校のお困りごとを丁寧にお聞きして、最適なプランをご提供いたします。自分だけではなく、他のキャリアコンサルタントの方も。